時間とは何か
生命の根源とは何か
我々は何処から来て、何処へ向うのか?
SFとは、この深遠なるテーマに挑戦するジャンルです。
しかしながら、数多のSFが難題に挑んだものの、業績は芳しくありません
例えば、人間が神に進化するテーマ 。
結局は、ニーチェの超人思想の焼き直しに過ぎず
では、神になった人類は何をしでかすのか?という素朴な疑問に きちんと答えられた作品は多くありません。
大抵は、もう一度天地創造をやり直すとか、
その無限ループこそが 宇宙の真相であるとか、
ひどい場合だと、「この宇宙はさらに大きな宇宙を構成する
原子の一部に過ぎないのであって、
もしかすると、我々の宇宙は虫けらの細胞の一部かも 知れないし、
我々の肉体もまたミクロコスモスを内包しているのだ。」とか。 これ「火の鳥」ですね(^^;)。
プランク定数に関するの知識があれば宇宙に最小単位がある事が判ります。
残念ながらメジャーなSFは、現代科学に先を越されちゃってます。
イリア・プリゴジンの提唱する散逸構造体理論では エラン=ヴイタール(万物の創造者)を必要としない。
造物主の関与〜神の概念を科学的に否定した 新しい宇宙論すら提唱しているにも関わらず。
時間SFにしろ、H.G.ウェルズの「タイムマシン」を越えられないでいる
現代の作家達はと言えば、親殺しのパラドックスを回避する新しいトリックの開発に 終始している始末で、ジャンル的には大きな発展が望めそうにありません。
宇宙戦争テーマにせよ、連邦と植民惑星の対立というお約束のパターン。
新型の宇宙戦艦とモビルスーツが闊歩する図は変わりません。 現実には、とっくに植民地経営が破綻しているのですが。
もちろん、テーマそれ自体を追求する事は否定しませんし、これからも尖鋭化が進むでしょう
ただ、個人的には他人と同じ事をやっても面白くありませんし
現代のSF,ひいては現代科学の基盤となるアイデアは19世紀末から20世紀初頭に 登場したものが殆どで、
そろそろ補充の時期では無いかと思う次第。