■ 航空事象艇(ワールドストリーム・ライナー)の定義
SFでお馴染みのタイムマシンですが、現実には「過去へ行く」と言っても一筋縄では 行きません。時間を遡ればすむ問題ではないからです。

我々の地球は太陽を1年かけて公転し、太陽を含む銀河系は2億年周期で自転しています。 従って、過去に向かうには地球の軌跡を逆算しながら追いかける羽目になります。

さて、高次元の世界から地球を眺めるとどうなるでしょう? 電話の受話器コードをイメージして下さい。地球柄の電話コード(?)上の任意の点が めざす目的地です。 これをSF用語で「世界線」と呼びます。

ほとんど死語ですが、 「ワールドストリーム・ライナー」とか「世界線クルーザー」という単語が 過去の小説に登場します。

というわけで 単独で時間軸を航行する「タイムマシン」という名称は間違いです。 宇宙船の範疇に含んでも良いでしょう。ちなみに宇は時間、宙は空間を意味します。

(世界の世も時間、界も空間)このサイトでは「(航空)事象艇」と呼びます。

余談ですが、一般相対性理論では、時間と空間を連続した一つの物。「時空連続体」として 扱うため、100光年先へワープすれば、きっちり100年が経過します。

時間経過を無視しないと話が成り立たないので大抵のSFでは黙殺しています。 もっとも最近では時空の歪みを使う古典的なワープより ブラックホールの特異点を利用する方法が主流ですが。